けびん先生の作戦

教育再興戦略/教育経済学/edtech けびん先生 @marumo258844532

#作戦8-1 先生から見た不登校 指導体験から見えてきたもの

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 8月19日に小幡和輝さんの「#不登校は不幸じゃない」というイベントが全国各地でありました。不登校当事者や当事者の家族の方が中心となったイベントは、大きな話題を呼んだことは記憶に新しいです。

 

教員として、不登校児童を担任すると、自分に何ができるのかいつも悩みます。その時の最善を尽くしているつもりですが、それが正解かは分かりません。

 

それでも、これまでの経験から、子どもの気持ちが軽くなったり、家族の方に感謝されたり、教員としてどう受け止めてどう対応していけば良いのか見えてきたことを、数回に分けて書きたいと思います。少しでも自分の経験が誰かの役に立てば幸いです。



1.「不登校はずるいこと?」

結論:不登校は怠けではありません。ずるくないですよ。

 

 不登校というと、登校拒否と呼ばれていた時期もあるように、本人のなまけ=「怠学」と思われていた間違っていた時期もありました。その後、国も現場も不登校者数が増加するに従って、本格的に不登校児への支援を考えるようになりました。それが現場にも浸透し、適切な支援をすること、さらには登校を必ずしも求めないもの、というスタンスにまで変化してきました。

 

ですが、大人も子どもも心のどこかで、

「みんなが行っているもの」、「義務教育だから行かなければいけないもの」

という思い込みがあり、

それが本人や周りを苦しめているということも多く目にしてきました。

 

2.「見えにくい、みんなの心の中」

結論:心の中で思ってる辛さは、実はみんな似ている。誰でもいいから思い切って話してみよう。今は専門機関のサービスも充実している。

 

 不登校の辛さの一つに、その辛さを共有することが難しい、ということがあります。負い目や恥ずかしさや無力感など、様々です。相談できれば心が軽くなり、前向きに進めるとは分かっていてもなかなか言えない。私がこれまで聞いたのは、次のような声でした。

 

①子ども本人

・自分は悪い子だ

・ずる休みと友達に思われている(だろう。かもしれない。はずだ。)

・友達に会いたくない。先生に会いたくない

・「明日からはいけるよ」

・行きたい気持ちはあるけど、朝になると起きられない

 

 「みんなができていることができない」「今までできていたことができない」と、自分を責めたり、無力に感じたり、親に申し訳ないと考えたり、子どもの自己肯定感が大きく低下していました。その結果、人の目を気にして昼間や休日は外出できなくなったり、公園やスーパーなど以前行っていた場所に行けなくなってしまったり、登下校の時間を嫌がったりします。また、本人の口から「明日からはいけるよ」「もう大丈夫」という言葉が出ても、いざ次の日の朝になると起きられなくなる。これは本当に良くあることで、本人は嘘をついているわけでも、その場しのぎで機嫌をとろうとしているわけでもありません。どれもその時の本当の気持ちを話しています。「行きたくても(行かなきゃと思っているけど)行けない。」これもまた真実だと思います。まずはこの気持ちを受け止め、上手くいかなくても叱らず、見守るよう保護者の方にも話しました。

 

②保護者

・なぜうちの子が

・甘やかしてはいけない?

・無理やりにでも連れていくべき?

・家族になんて伝えよう

・先生に何て言おう

・この先どうしたらよいのだろう。

 

 保護者の方も同じように、なぜという思いと、この先どうしたら良いかという不安でいっぱいになっていました。もしくは、行きなさいと言って無理にでも連れていくべきかどうか、行かなくても良いと言って本人の希望を尊重すべきかどうか、という葛藤を感じる人も多いです。家族には何て相談しようか、担任の先生には何て伝えたら良いのか。何から手を付けたら良いのか分からないという状態で悩んでいました。また、

「友達にも話しづらくて、家族以外に言えない。」

「家族に言ったら、子どもが怒られるだけだから、なかなか言い出せなかった。」

「自分の子どもだけ余計に見てもらうと思うと、先生に言うのが申し訳ない。」

という気持ちがあり、誰かと共有したいけど、なかなか一歩踏み出せないというところに苦しさを感じていました。それが閉塞感につながると、本人も苦しくなってしまいます。教員や家族の方は、何かを察したらすぐに声をかけて、一緒に考えるチームになることが大切だと思います。

 

③教員

・その子にこれからどう関わったら良いだろう

・自分が何かしたかな?

・友達と何かもめたかな?

・保護者になんて話をしよう

・クラスになんて言おう

・ほかの子の指導をどうしよう

 

 一人の子どもの苦しさに寄り添いたい気持ちと、どうしたら良いのか分からない気持ちとが混在します。また、一方でクラスの他の子ども達も十分に見てあげながら、対応していく必要があります。「自分が解決してやる!」という熱い気持ちは、子どもが望んでいない限り逆効果です。不登校は問題行動などではなく、心の休憩が必要な時期であることを十分理解し、本人や家族と丁寧にじっくり向き合うことが必要です。大切なのは、チームで対応することです。本人や家族や自分に関わる大人が多ければ多いほど、思いを共有できたり、アイディアが浮かんだり、その子に関わらなくても他の面でサポートしてくれたり、と良いことづくめです。保護者や同僚や管理職には積極的にコミュニケーションをとるようにすると上手くいくことが多いです。

 

 

3、おわりに

今回は、なかなか見えにくい気持ちの面について書いてみました。あくまで、自分の経験から考える一例ですが、少しでも誰かの力になれば幸いです。